「 ¬ 」
この記号をご存じだろうか?
ややこしい並びになってしまっているが、鉤括弧の中にある¬を指して問うている。
「縦書きの時の「」の上側にくるやつ」とかではなく、横書きの際にも使うらしい。
過去に何度か「もし自分がECをするならどんなジャンルを選ぶだろう」
と考えたことがあった。
趣味性の高い専門的な商材でやってみたいと思った。
たくさんは売れないが、生活できる程度の収入になればよいと願い起業するに違いない。
幸いなことに入荷から発送までの業務は全部自前でできるので、そこはかなり倹約できる。
時間のある元気な高齢者が増えることで、昭和の時代には随所にあった「荷物預かり所」や「コインロッカー」の類似サービスが再増すること必至と感じる。
ただし、預ける者と受け取る者が別人というところが、終わりを迎える平成と次の元号の時代を象徴している。
個配全体というより宅配についての傾向としてであり、
個配便の今後について、自分なりの予想や仮想や夢想を記しておきたいと思っていた。
物流リアルにも数社から「個配便の今後」に関連するいくつかの質問投稿をいただいており、丁度良い機会だった。
独善的で偏向とお感じになる部分もあるとは思うが、一個人の独り言として気楽に読んでいただきたい。
巷で論じられているとおり、二極化は急速に進む。
勝手な名称を付ければ「一方通行配送」と「相互通行配送」のような。
ここでいう「通行」とは情報と行動を意味している。
EC事業者にとって、「送料コストの負担を誰がするのか」は大きな問題だ。
購入者以上に敏感になっている傾向が強いと感じるのだが、当事者である売手側は聴く耳を持とうとしないことが多い。
過去にも何度かECの経営者に「送料無料ではなく、送料相互負担ではだめなのですか?」と尋ねたことがあったが、ほぼ全員の回答が「それはできない」だった。
試みたうえでの判断ではなく、試みるまでもないこと。
そんな内容だったと記憶している。
配送の問題を書くたびになんとなく気分が重くなる。
増税や憲法改正問題と同じように、文句を言おうが反論や批判の記事を書こうが、結局は抗いようがない要素があまりにも多いからだろう。
国内物流は個配比率が上昇し続けている。ゆえにその市場の効率化のために、IT技術などをふんだんに活用した仕組の開発は進む。
現在当たり前のように存在する、掲題の「着払い」「後払い」「受取拒否」も近い将来にはなくなってしまうだろう。「代引き」についてはもはや説明するまでもない。
正確には「なくなる」のではなく「形を変える」ということだ。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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