毎度思うのだが、EC専業会社の物流業務はシンプルでルーティン化しやすい。
週頭や大型連休明けの出荷大波に対応することぐらいしか苦労は無い。
その他、製造工場が廉かろう悪かろうな場合、入荷時検品が煩雑で、入荷予定数と実計上数の乖離にムラがあって、不要な手間とそのコストが発生するぐらいのものではないか思う。
企業内にはさまざまな業務がある。
一般的な区分けとは別に、その企業固有の ‘ ルール ’ や ‘ コード ’ が存在する。
競争や駆け引きの中では白か黒かという区分や明瞭さを善とできないこともある。
不透明さや視えにくさは、時として必要な選択肢になるのだろう。
しかし、あらゆる企業で物流と経理だけは装飾や折合があってはならない部門だ。
他部門のように一定の不可欠な「灰色」の存在は、経理と物流には禁忌。
200社に1社が共感共振してくれたら本望。
そんなつもりで仕事をしている。
俗にいう ’ センミツ ’ とは顧客獲得が難しいとされている業界でよく遣われる言葉。
私の場合は ‘ センイツツ ’ になるので、やや確率が高い。
ギャンブルや宝くじよりも期待値が大きいのでよしとしている。
私のお付き合いしてきた経営者の方々はとても個性的な人が多い。
しかしながら、変わっているように感じられるのは表面的な言動であって、その中身は質実で繊細で大胆で巧妙であることがほとんどだった。
中でも創業者の方と話をするのが最も楽しく自然体でいられる。
本当のことや当たり前の話が通じる人が多いからだ。
若い頃から中小企業の社長が顧客の大半であったことも大いに影響していると思う。
報われる努力とそうでないものがある。
物流関連では運賃(特に個配料金)契約交渉がその筆頭。
世相評論ならそれで済むが、実業者とその利害関与者には忌々しき問題なのだ。
今や個配料金の単価上昇は、業種業態によっては経営リスクになっていることも多い。
言うまでもなく、個配業者との運賃交渉は、実際には交渉ではなくお願いである。
顧客側が業者に平身低頭してすがるようにお願いする。
業態という言葉を無意識に口に出してしまう。
しかし物流の業務設計や実務やOJTではまったく意識しなくなっている。
玄人ならアタリマエのことだが。
物流の根幹にある「理由」は消費に他ならない。
消費動向が全てを決定する。
永田利紀(ながたとしき)
大阪 泉州育ち。
1988年慶應義塾大学卒業
企業の物流業務改善、物流業務研修、セミナー講師などの実績多数。
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